クリスマスメッセージ

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                                                    (画像引用元:Sandringham House 公式サイト)

 

エリザベス女王は、クリスマス休暇を例年どおりサンドリンガムハウスで過ごしていることでしょう。

女王のクリスマスのあいさつは日本でもニュースになりますが、日本語字幕つきがあるとは知りませんでした。

サンドリンガムから中継しているのかと思ったら収録はバッキンガム宮殿なんですね。

 

www.bbc.com

 

このクリスマスメッセージは祖父のジョージ5世がラジオで始めたことで、『英国王のスピーチ』でもその場面が出てきます。

第一次世界大戦に国民や自治領、植民地を動員したことで、戦後、自治領から連邦制への流れや女性の参政権といった大衆民主政治の波が英国に押し寄せます。
労働党政権の誕生、世界恐慌による不況、と社会情勢も大きく変化していきます。
従兄弟であるニコライ2世一家の悲劇や共産主義の広がりに危機感を覚えたジョージ5世は、大衆に支持される王室でないと生き残れないと考え、社会福祉に力を入れたり、王室の財政を引き締めたりします。

ラジオを通じて世界各地の国民にスピーチを行うのも、そういった取り組みの一環でした。

 

スピーチの苦手なバーティでしたが、クリスマスのラジオ放送は行っています。

国民すべてに自分の思いを届けられる大事な機会であったことから、死の約1か月前のクリスマスにも、体力の衰えから録音にはなりましたが国民にメッセージを放送しています。

そのあたりのことはライオネル・ローグの伝記本に詳しいので、そちらをご覧ください。

 

さて、今年の女王のクリスマスのあいさつですが、デスクの上にお父様らしき白黒写真があるなぁと思っていたら、やっぱりそうでした。
それも海軍時代のせいぜい20歳くらいのとき。 

第一次大戦終戦記念の追悼式典が11月にあり、100年ということで王室のSNSユトランド沖海戦に参加した体験を綴ったアルバート王子の手紙が載っていたりしました。
(ボーイッシュな乱暴な字なので読めないのですが…)

 

元はこちらのアーカイブにありました。

www.royal.uk

 

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先日、ユトランド沖海戦BBCドキュメンタリーの再放送があり、どんな戦いだったのかとても分かりやすかったです。

wikiを参照させてもらうと、バーティが乗っていたHMSコリンウッドはジェリコー大将率いる70隻の大艦隊のうちの第5戦艦隊に入っています。

この大艦隊がずらっと横に並んでT字戦法をとり、北上してきたドイツ艦隊を迎え撃ちました。

ドキュメンタリーによると、ドイツ軍の反撃にジェリコー大将は損害を恐れて徹底的に叩くことはせず艦隊を引き、海戦でどちらが勝利したか有耶無耶なことになります。

この海戦で士官候補生のバーティはSub Lieutenantととしてターレット担当でした。

エドワードは海軍から陸軍へ異動させられていたので、少しでも実戦に参加できた弟のことを羨ましがりました。

兄にはコンプレックスばかりだったので、弟としては数少ない優位に立てた経験だったのではないかと思います。