キングジョージ
何気にネットを見ていたら、英国アスコット競馬場で行われるレースに日本から出走する馬が空路で到着というニュースがありました。
ときどき海外競馬に日本馬が参戦したという報道を見ますが、馬をどうやって運ぶのか考えたこともなかったです。
特別貨物機に乗って空の旅だそうで、オリンピックの馬術競技のときは移動が大変でしょうね。
イギリスは近代競馬発祥の地で、その歴史と伝統にふさわしくエリザベス女王は非常に熱心な競馬ファンであり、何頭も所有する馬主であることは日本でも広く知られています。
毎年、アスコット競馬場で繰り広げられる華やかな光景は恒例となっているところですが、JRA日本中央競馬会のホームページの解説で、王室所有の競馬場であることを初めて知り、へぇぇーとなりました。
6月中旬のロイヤルアスコット開催は5日間で19レースが行われ、毎年30万人が集まるそうです。
さて、空路はるばる日本から参戦しようとしているのは、7月27日(土)にアスコット競馬場で行われる『キングジョージVI世&クイーンエリザベスステークス』です。
ジョージ6世の名前を冠した1951年から開催されているレースで、日本の競馬ファンはキングジョージの略称名で呼んでいる格付けの高いG1レースです。
もっとも近年は、ちょっと人気が落ちているという話も。
JRAのホームページによると、”7月下旬に行われ、欧州上半期の中長距離王を決める(G1。芝2390メートル)”とあり、高低差があってタフなコースだそうです。
1954年の第4回で優勝したのが『ザ・クラウン』のシーズン1第9話に出てくるエリザベス女王の持ち馬オリオールAureoleです。
オリオールは、もともとはジョージ6世が馬主でした。
お父様もさぞかし競馬には熱心なんだろうなぁと思っていたら、mildly interested程度だったそうですが、娘の競馬への入れ込みっぷりに比べたら誰でもmildyになるのでは。
しかし馬主としては優秀で、サンチャリオット、ビッグゲームといった名馬を所有していました。
Big Game(GB)|JBISサーチ(JBIS-Search)
Sun Chariot(IRE)|JBISサーチ(JBIS-Search)
Aureole(GB)|JBISサーチ(JBIS-Search)
(血統やレース結果などのデータベース)
厩舎や調教師、騎手が素晴らしかったのでしょうが、そういった環境を用意しても勝てるかどうかは馬の能力が大きいでしょうから。
ドラマの中でオリオールの調教師が「陛下の馬を見る目は素晴らしかった」と褒めたたえてましたが、優れた馬主はそれが備わっているのでしょうね。
戦時下なのでレースが中止になることも多かったようですが、wikiによるとサンチャリオットは9戦8勝と素晴らしい成績でイギリス牝馬3冠馬となっています。
気性が激しい馬で扱いが非常に難しかったようです。
のちにサンチャリオットステークスというレースも設けられています。
サンチャリオットとビッグゲームが映ってます。
競馬には普通程度の関心だったバーティに対し、妻のエリザベスは皇太后となってからですが障害レースに熱中してます。
元お抱え騎手だったのが、推理小説家ディック・フランシスだったというのには驚き。
競馬を舞台にした小説で1冊だけ読んだことあります。
面白かった記憶はありますが、すべてタイトルを漢字二文字で揃えてあるので区別つかなくて何を読んだか覚えてないんですよねぇ。
イギリスの上流階級では当然でしょうが、バーティも娘たちが幼いころから乗馬のレッスンを受けさせていました。
馬上のお父様の両隣にポニーに乗ったリリベット、マーガレットという微笑ましい写真は1939年に撮影されたものです。
(画像引用元:Royal Collection Trust)
小さい頃からエリザベス女王は馬が大好きで、元家庭教師もリリベットが好きな本のひとつに『黒馬物語』を挙げています。
この本は読んだことありますが、ヴィクトリア朝時代の辻馬車の馬の扱いが酷くて、主人公(馬)の知り合い(馬)の境遇が可哀そうだった記憶があります。
雨の日に敷石に足を滑らせながら辻馬車を引くという危険な光景がありましたが、リリベットも住まいのピカデリー145の窓から道を見下ろしながら、行きかう馬が足を滑らせないか心配していたそうです。(可愛い~)